深まる米国社会の分断に懸念

中間選挙で見えた米民主主義の転換点

6日の米議会の中間選挙は、上院は与党・共和党が過半数を維持した一方、下院は民主党が過半数を制しました。トランプ大統領が早々と勝利を宣言する一方、民主党も下院奪還で歓喜に沸くという結果となりました。

日本の多くのメディアはこれを「ねじれ状態」と報じ、トランプ氏の政策に一定の歯止めがかかると指摘しています。ただ、多くの民主党支持者が期待した「ブルーウェーブ(青い波)」は起きませんでした。もともと中間選挙では与党が大きく後退するのが通例であることを考えれば、上院はもちろん、下院でも共和党が事前の予想より健闘したという見方が妥当ではないでしょうか。実際、マーケットの反応もこの見方に沿っているといえます。

一方で、今回の中間選挙に至る過程では、共和、民主両党の関係者や支持者に爆発物が送られるテロがあったほか、乱射事件、移民を乗せたキャラバン、LGBTQらの権利、若者、女性など、米国の主要なイシューを想起させる出来事が多数ありました。

結果として、中間選挙で史上最年少候補者や、LGBTを公にしている候補者、女性候補者やムスリム候補者が多く当選していることは、米国民主主義の歴史上、大きな転換点を印象づけるものになりました。

また、負けて議席を失った議員は両党ともに穏健派と思しき人が多いのが特徴です。中道が分解され、極端な「アメリカ・ファースト」とリベラルに収斂していくプロセスと指摘する声もあり、米国の分断は簡単には解消されそうにありません。(W)

Weekly Voice by UPF

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