産業も軍事も主戦場は宇宙に?

米政府が「宇宙軍」創設計画を発表

皆さんは「宇宙軍」と聞いて何を思い浮かべますか。宇宙人や地球外生命体の攻撃から地球を守る防衛隊? かつてSFの世界の中にしかなかった組織の創設が現実に近づいているようです。

米国トランプ政権は9日、陸海空軍と海兵隊、沿岸警備隊に次ぐ6番目の軍として「宇宙軍」を2020年までに創設する計画を発表しました。トランプ大統領が今年6月に国防総省に指示していたものですが、新軍の創設には米議会の承認が必要で、議会や軍では反対論もあり曲折も予想されています。

ペンス副大統領は国防総省での演説で、「果てしなく広がる宇宙で台頭する脅威に立ち向かう」ことになると述べたということですが、宇宙空間を陸海空に続く「新たな戦場」と位置付けているようです。

実際、ロシアではすでに2001年にロシア連邦軍のもとに「宇宙軍」を置き、2015年には空軍と統合され「航空宇宙軍」を編成しています。中国も月面基地計画を独自に進め、宇宙ステーションの稼働を考えています。米国版「宇宙軍」の任務は、こうした中ロの動きを念頭に、まずは衛星軌道上にあるGPS衛星の監視がメインとなりそうですが、中長期的にはICBMを宇宙空間で迎撃するまで進みそうです。

米国の今回の発表で思い出すのが、1980年代のレーガン政権下で進められた「戦略防衛構想(SDI=Strategic Defense Initiative)」、通称「スターウォーズ計画」です。敵の攻撃を宇宙空間で止めるというもので、ソ連崩壊につながったと言われています。

宇宙の領空争いが懸念されるなか、めまぐるしい技術の進化に伴い宇宙の軍事利用の必要性が高まる流れは止められないでしょう。

日本はこのような世界の趨勢の中でどのような進路を取るべきなのでしょうか。現代の航空産業もインターネットも、もともとは軍事技術の産物でした。軍事、産業両面で中国の脅威が迫る中、「宇宙軍」のニュースはもはやSFの話ではありません。(W)

Weekly Voice by UPF

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