「異常気象」の常態化 「安全な所などない」との自覚を

このたびの「平成30年7月豪雨」により、被災された皆様には謹んでお見舞いを申し上げるとともに、今なお避難されている皆様の安全と、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。


未曾有の西日本豪雨、ハード面の対策だけでは限界

警察庁はきょう13日、今回の西日本豪雨による被災地での死者が、午前4時45分時点で204人に上ったと発表しました。避難所生活も長期化が指摘されており、お年寄が板張りの床に横になっている状況です。豪雨の終息の一方で酷暑が地域を襲っており、関連死が心配です。

「経験したことのないような大雨で、重大な危険が差し迫った異常事態です。市町村から発令された避難情報に直ちに従うなど、適切な行動をとってください」。今月6日、北部九州3県や広島県、岡山県などに「大雨特別警報」が発表されて以降、合わせて11の府と県に特別警報が発令されました。気象庁のまとめによると、今回の西日本豪雨で観測した72時間の雨量が119地点で過去最高を記録しました。全国に約1300ある観測地点の約1割にあたり、過去最大となります。

特別警報は2011年の紀伊半島豪雨などを教訓に、13年8月から運用がスタート。1991年以降の観測データを基に「50年に1度」の異常雨量などの値を定め、それを超えれば発表されています。この5年間、日本全国で計10回発表されており、福岡県では昨年の九州豪雨に続いて2年連続で発表されました。

もはや「異常気象」の常態化と呼べる状況です。

現在も、気象庁や日本気象協会などの専門機関や専門家が、甚大な被害をもたらした豪雨の詳しい分析を進めていますが、温暖化に伴う異常気象は、明らかに新たな段階に入ったと言っていいでしょう。

特別警報では「過去に経験したことがない」という表現が付けられますが、「経験したことがない」とは過去の想定を超えた対策が必要であることを意味します。今回の豪雨では、防災や治水の概念を根底から変えてしまいました。今後、治水技術や防災技術、救出技術のいっそうの向上など、あらゆる災害対策を強化しなければなりません。

一方で、豪雨災害が起きるたびに、堤防や砂防ダムなどインフラの整備が強化されますが、異常気象が続く今、そうしたハード面の対策にも限界があります。

私たちが肝に銘じるべきは、今後いかなる場所においてもこのような自体が起きうるという意識とその備えです。今回、浸水した場所は河川に挟まれた場所など、もともと地形的に災害リスクが高い場所でした。また、高齢者を中心に、逃げ遅れも原因の一つと考えられています。

「ここは大丈夫」「自分は大丈夫」という意識を改め、ふだんから自宅周辺の地形や避難所を確かめ、万一の行動を想定し、警報などに敏感に反応することが大切です。

災害列島の恐ろしさをかみしめながら、高齢化や過疎化の問題とも向き合いながら、あらゆる想定を見直す時がきています。(S)

Weekly Voice by UPF

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