米朝会談への期待感から与党優位の情勢

韓国・文政権発足1年 “信任”問う統一地方選

6月13日投開票の韓国統一地方選の選挙運動が徐々に盛り上がりを見せています。今回は、就任から1年を迎えた文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する事実上の信任投票として、中間選挙的な性格が強いのが特徴です。文氏の高い支持率を追い風に、革新系の政権与党「共に民主党」がどれだけ多くの主要首長ポストを得られるかが焦点となります。

統一地方選は4年に1度の実施。ソウルなど8大都市の市長と9道(県に相当)知事をはじめ、地方自治体の首長、議員4016人を選出します。現時点では、史上初の米朝首脳会談に対する期待感から、共に民主党の圧勝が予想されています。

ソウル市は現職で民主党の朴元淳(パク・ウォンスン)氏に、昨年5月の大統領選にも出馬した保守系野党、「正しい未来党」の安哲秀(アン・チョルス)氏、自由韓国党の金文洙(キム・ムンス)氏が挑む構図です。朴氏が勝てば、史上初の3選。優勢が伝えられる朴氏に向け、安氏と金氏が候補者一本化の可能性を探っていたようですが、現時点では難しいようです。

なかでも、医師や起業家など多彩な顔を持ち、コンピューターウイルス対策ソフトを開発して無償で公開するなど「韓国のビル・ゲイツ」とも呼ばれていた安氏にとって、今回は因縁の戦いです。7年前のソウル市長選挙では、当時無名の弁護士だった朴氏について「いい人だから」として、候補を辞退した経緯があるからです。

京畿道は、自由韓国党の南景弼(ナム・ギョンピル)現職知事に、城南市長の李在明(イ・ジェミョン)市長が挑みます。李市長といえば、前回の大統領選挙の際、過激な発言で「韓国のトランプ」といわれた人物。ここでも、与党の李氏優勢が伝えられています。

万一、与党がソウル市長と京畿道知事を抑えれば、文政権の基盤は盤石なものとなるでしょう。朴氏も李氏も、文氏への忠誠心が熱く、政権運営に大きな助けとなることは間違いありません。日本に例えると、東京都知事と大阪府知事に安倍首相の息のかかった人物が当選する以上の基盤となるような感覚です。

苦戦が予想される韓国党は、保守の牙城である大邱市、慶尚北道を死守しなければなりません。その上で、京畿道などほかの保守が強い地域でどれだけ防戦できるかが焦点となります。

(H=ソウル在住)

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