朝鮮半島に「平和と繁栄の新時代」は訪れるか

歴史的な南北首脳会談に世界の関心と期待が集まる

10年半ぶりとなる歴史的な南北首脳会談――。きょう27日午前9時29分、軍事境界線を挟んで北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が握手を交わし、歴史的な瞬間が到来しました。

韓国大統領府は午前の会談で、朝鮮半島の非核化と恒久的な平和体制の構築、南北関係発展について率直な議論を交わしたと発表しました。このコラムの執筆時点では共同発表はされていませんので、その内容に関するコメントは次回に回します。今回は首脳会談に対する韓国側の反応について触れたいと思います。

朴槿恵(パク・クネ)前大統領を支持する一部の強硬な保守派を除けば、国全体の関心と期待が集まっています。

ソウル図書館(旧ソウル支庁)の建物には「南と北が作る平和、ソウル市も一緒に行きます」と書かれた巨大ポスターが掲げられました。あるソウル市民は、「南北関係が正常化に期待している。早く軍事境界線を越えて北朝鮮に足を運んでみたい」とコメントしました。共同発表を待つ市内は、観衆がサッカーのPK戦を見守るような雰囲気に包まれています。

経済界も南北首脳会談を歓迎しています。大韓商工会議所は「緊張と対立の時代が終わり、平和と共存の新しい時代を迎えることを期待する」と論評。日本の経団連に相当する全国経済人連合会は「朝鮮半島の地政学的リスクが解消され、経済活力が高まることを期待したい」とコメントしています。

金正恩委員長は今月20日に開いた朝鮮労働党中央委員会総会で、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射を中止すると表明。「強力な社会主義経済を建設して人民生活を画期的に高める闘いに全力を集中」するとしました。

一方の韓国も、文大統領の任期は残り4年。さらに、保守系は収賄の罪で起訴された朴、同容疑で逮捕された李明博(イ・ミョンバク)の両大統領経験者が収監される壊滅的な状況であるため、次期大統領も南北融和に軸足を置く革新系が選ばれる可能性が高まっています。

南北両国は今後、経済協力に向けて信頼関係を深めていくと思われます。何よりも、文大統領と金委員長は今回、会談を通じて、悲願である「民族同一性の回復」に対する自信と確信を得たいところでしょう。

朝鮮半島全体の平和と繁栄につながる協議となるか。非核化に向けた具体的な合意を含め、国際社会が固唾(かたず)を呑んで見守っています。(H=ソウル在住)

Weekly Voice by UPF

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