断てるか、「ゴルディアスの結び目」

包括的な解決めざす韓国大統領府

「ゴルディアスの結び目を断つ」。

筆者が伝え聞くところによると、韓国・青瓦台(大統領府)の関係者は、南北首脳会談と米朝首脳会談を前に、北朝鮮の非核化という難題に挑む意気込みをこのように明らかにしたようです。

これは、誰もがほどけなかった結び目(解決できない難問)を剣で一刀両断してみせたアレクサンドロス大王の伝説を引用したもので、つまりは北朝鮮の非核化と朝鮮半島の休戦協定に代わる平和協定の締結などを一括して解決しようという意図です。これまでの非核化に対するアプローチでは、交渉→合意→検証→破棄→挑発といった悪循環を断ち切ることができなかったという反省からくるものです。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今回、韓国と北朝鮮、米国の3国首脳会談を提案したのもその流れで、まずは南北関係を改善した土台の上に、米朝が非核化に向けた話し合いを行い、その後で恒久的な平和体制を構築しようとする狙いがあります。文大統領は「朝鮮半島に平和を根付かせるには米国の保証が必要だ」と話しており、米朝関係が改善すれば、南北間の経済協力も可能性があるとみているようです。

一方、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が訪中し、習近平国家主席と会談しました。「段階的な非核化」を求める北朝鮮としては、中国が後ろ盾として存在感を強めれば、米国は軍事行動を取りにくくなるとの読みがあったのでしょう。

この中朝首脳会談では、金委員長が習主席に核の放棄と市場経済への移行を約束し、東部の元山と西部の南浦の港を開放し、ゆくゆくは米国船の受け入れを認めるとの話も出ているとのうわさがまことしやかに流れています。

真相は分かりませんが、今は何が起こってもおかしくない時です。日本の立ち位置は微妙ですが、制裁一辺倒で孤立しないように柔軟性を持って、東アジア情勢の変化に対応する必要があるでしょう。(H=ソウル在住)

Weekly Voice by UPF

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