3・11から7年 求められる「心の復興」

長く、つらい「3・11」から7年――。あの日の記憶は深く、重いものとして、今も受け継がれています。

観測史上最大、マグニチュード9.0という巨大地震が東日本全域を揺るがし、巨大津波が押し寄せ、さらには原発事故による放射能漏洩へと連鎖していった東日本大震災は、岩手、宮城、福島の3県を中心に、1万5895人の命を奪いました。今なお、2539人が行方不明です(数字はいずれも今年3月1日まで=警察庁発表)。

今年も被災地はもちろん、日本各地や海外でも鎮魂、復興、未来への希望に思いを託す記念行事が行われています。

被災地の復興も少しずつですが進んでいます。河北新報が今年3月1日に発表した岩手、宮城、福島の3県に属する42の市町村長へのアンケート結果によると、自らの市町村の復興度合い「復興度」が「70%」以上との認識を示した首長は31人(前年調査21人)で全体の73.8%に上りました。

一方で、原発事故の影響が大きい福島では、復興度30%が2人、10%が1人と低いままです。さらに同調査で、震災の風化については「感じる」20人、「多少感じる」19人で計39人となり、92.8%の首長が懸念を示しました。

日本経済に明るさが見える今だからこそ、3・11の教訓を語り継いていかなければなりません。この悲劇の中から、新たな光を見出しつつ、前に進んでいくことは間違っていません。と同時に、一方で「絆」や「がんばろう!」といったわかりやすい合言葉では覆い切れない、人々の心の傷や家族の問題と向かい合うことが今後さらに必要になってくると思います。

震災による心の傷は、世代を超えて影響していきます。朝日新聞の報道によると、岩手医科大などのチームが岩手、宮城、福島3県で震災後の2011年度に生まれた子供を調べたところ、「落ち着きがない」「キレやすい」など、不安定な子供が目立つとの報告が増えており、3割超に情緒や行動上の問題がみられたといいます。震災の記憶が直接なくても、地域や家庭が傷ついたことで、そこで育つ子供に影響を与えたと専門家はみています。今後、行政や専門家、地域ぐるみでさらなる対応が必要になってくるでしょう。

一方で、3・11後の私たちに投げかけられた根源的な問い、すなわち「人が生き、死ぬとはどういうことか」「人生の意味とは」といったテーマについて、自身の内面でも家族の間ででも向き合い、考えてみる時間をもちたいものです。(S)

Weekly Voice by UPF

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