韓国政権の暴走にブレーキかけられるのは支持者のみ

文氏支持率が50%台に下落、政権発足以来初

韓国の世論調査会社リアルメーターが25日に発表した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は59.8%と、前週末と比べて6.2ポイント下落しました。就任以来70%台で高止まりしていた文氏の支持率が50%台まで落ち込んだのは今回が初めてです。

背景には、①保守政党「自由韓国党」が、文政権の対北朝鮮政策に対して「平昌(ピョンチャン)冬季五輪」ならぬ「平壌(ピョンヤン)冬季五輪」と批判した②平昌五輪に「芸術団」として派遣する予定となっている「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」から事前の現地視察として韓国を訪れた玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長に対する「国賓級」の待遇③女子アイスホッケーで南北合同チームの結成④青瓦台(大統領府)から再三にわたる国民への平昌五輪に対する協力要請――などが挙げられます。

朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問(元大統領と同姓同名の記者)は今月16日付同紙のコラムで、文氏を支えている2つの要素として、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の退陣を求めた大規模な抗議活動「ろうそく集会」と、70%という「高い支持率」があると分析。文政権が発足して9カ月が経過しましたが、金顧問は「今もろうそくの火は燃えているのか」と疑問を提起し、ろうそく集会の原点に戻って、今の文政権を見直すべきだと指摘しました。

つまり、今の文政権の「暴走」にブレーキをかけられるのは、朴前大統領支持団体による「太極旗集会」に参加した人たちではなく、ろうそく集会に参加して文氏政権を誕生させた人たちだというわけです。

筆者も先週のコラムでは、文政権の内向化が進んでいることを説明しました。その理由として、政権発足の背景の矛盾が表面化したためと指摘しました。それは、「積弊の清算」を掲げて当選したがゆえに、極端なポピュリズム(大衆迎合)に走らざるを得ず、誰に対してもいい顔をしようとする文政権の宿痾(しゅくあ)といえるわけです。

どうやら、予想を上回るスピードで、国民の文氏離れが進む可能性もありそうです。

(H=ソウル在住)

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