韓国が負わされた地政学的な宿命

文大統領が習近平主席と会談 北の核問題で立場近く

中国を訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日、習近平(シー・ジンピン)国家主席と北京で会談しました。共同通信などの報道によると、北朝鮮の核・ミサイル問題を平和的に解決するための協力策などが議題となったようです。対話を通じた解決を求める中韓の立場は近く、中国としては圧力を重視する日米を念頭に韓国との連携強化を図る構えを見せているようです。

しかし、中韓は10月末に米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備問題で悪化した両国関係を改善させることで合意したものの、これで一定の区切りがついたとの韓国側の期待に反し、中国は合意後もTHAAD反対を執拗に主張しているような状況です。

韓国は中国とも仲良くすべきだと考える韓国人専門家は、日本人である我々が想像する以上に多いのが現状です。文氏は訪中前の中国国営中央テレビのインタビューで「北朝鮮を非核化の道に引き出すのに何より必要なのは、中韓の緊密な協力だ」と指摘しており、「中韓は平和的な方法で解決しなければならないという立場を完全に共有している」と述べましたが、これに賛同する専門家が多いということになります。

なぜあれほど痛い目に合わされても、韓国はそこまで中国との関係を重視するのでしょうか?

それは一言でいえば、韓国の持つ地政学的な位置付けゆえに他なりません。

朴槿恵(パク・クネ)前政権下では、韓国の「米中二股外交」がしばしば日本のメディアの批判の対象となりました。韓国は従来、安全保障では米国、経済では中国に、それぞれ大きく依存してきましたが、北朝鮮が核開発を加速させる中、朴政権は次第に安全保障の面でも中国に傾き始めたからです。「離米従中」という言葉も頻繁に聞かれるようになりました。

その象徴が、2015年に北京・天安門城楼の上で軍事パレードを参観した朴前大統領が、習主席、プーチン露大統領と一緒に撮ったスリーショット写真でした。習氏とプーチン氏は欧米や日本の目から見れば、民主主義的とは言い難い国のトップ。いわゆる旧西側の首脳は一切、参加しない中で、韓国だけが大統領を送った形となりました。この写真は米国の専門家にも大きなショックを与えたのです。

当時の韓国メディアの報道を見れば、朴氏礼賛一色です。あたかも「韓国が中華圏でナンバー2の位置を占めた」ことを誇りにしているような報道ぶりだったわけです。

2013年に韓国でベストセラーになった「ジャングル万里」という長編経済小説があります。中国の青島(チンタオ)でアクセサリー工場を経営するハ・ギョンマンという、実在の人物をモデルにしたストーリーです。主人公は中国現地で、環境美化や奨学金の授与などを通じて信望を得て、やがて表彰まで受けます。作家の趙廷来(チョ・ジョンレ)氏は、執筆の動機について「ジャングル万里を通じて文化と風習全ての側面から中国を心から愛せたとき、中国と共存できるということを伝えたかった」とし、「小説の最後で、韓国人男性と中国人女性が結婚するのも、両国がこのように和合することを期待したい心の現れ」と地元メディアに答えています。趙氏はさらに、インタビューの中で、韓国は米中の間で外交に神経を使わなければならず、特に中国ともっともしっかりした関係を維持しなければならないと何度も強調しています。

ジャングル万里は今から4〜5年前にヒットした小説ですが、このような小説がベストセラーになった背景を理解する必要があるでしょう。(H=ソウル在住)

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