立憲民主への「風」は吹いたのか?

衆院選で鮮明になった「革新」勢力の退潮

10月22日投開票された第48回衆議院総選挙については、多くのメディアで「自民圧勝、立民躍進」の見出しが踊りました。実際に、自民党については森友・加計報道で安倍政権への逆風も吹く中、自公で改憲発議に必要な2/3を確保、さらに定数が減ったにも関わらず自民単独の議席は前回と同数で、予想を超える圧勝と言っていいでしょう。

一方の「立憲民主党の躍進」についてはどうでしょうか? 改選前の15議席から55議席に拡大したことをもって「躍進」と評価され、枝野代表はリベラル勢力の新たなヒーローのように扱われました。

しかし、比例代表の得票率を見てみると、いわゆるリベラル左派勢力の全体的な退潮傾向は明らかです。社民党のみならず、共産党も得票率を大幅に減らしてしまいました。結果的に、立民、社民、共産を合わせた得票率は、前回の民進、社民、共産を合わせた得票率を下回りました。つまり、立憲民主党の躍進と見えたものは、リベラル左派勢力の中での票の移動に過ぎなかったということです。

国民の半数近くは、前回総選挙に続き安定して自公政権を支持しています。他方、自公政権の長期化に懸念を抱き、保守の路線内での政権交代を期待しているとみられる層が20〜25%存在し、この層の人々が前回、前々回は維新、みんな、次世代を支持、今回は希望に投票したとみられるため、そのぶん維新の得票率が目減りしました。

これらを合わせて考えると、いわゆる左派的な政策を支持する層は、一貫して3割前後にとどまり、しかも減少傾向にあることが明白です。特に若年層になるほどその傾向は強く、「共産党も含んだ左寄りの野党共闘」は社会のニーズからかい離していると言えるでしょう。たとえ、希望の党がリベラルを「排除」せずに野党共闘が実現していたとしても、失望の時期を選挙後にずらし、より深刻な混乱を招いただけだと思われます。遅かれ早かれ、民進党のような内部対立が表面化したはずだからです。

いわゆる「保守」対「革新」の構図が固まった1955年から60年が過ぎ、いよいよ革新勢力の命脈が尽きようとしているのではないでしょうか。「革命」を連想させる「革新」という言葉も使われなくなって久しく、「リベラル」という、よりマイルドな表現に変化。選挙後には、立民の枝野代表すら「共産党さんや社民党さんがリベラルと言われると、本来のリベラルの定義とは違うんじゃないか」と語り、「私は保守」「30年前なら自民党宏池会」と弁明するなど、極力「左翼」とのイメージを払しょくしようと懸命です。

憲法、安全保障、家族政策など、左翼勢力がしかけるイデオロギー論争によって、日本の政策の選択肢は大きく縛られてきました。しかし、国民の大半は中国、北朝鮮問題、少子化による人口減少などの危機に直面して、より現実に即した政策論議を期待するようになっています。共産党、社会民主党などのイデオロギー的左翼政党は、歴史的な使命を終えたといっていいでしょう。同様に、左右対立をあおることで自民党批判を行ってきたメディアのあり方にも根本的な変革が求められています。(O)

Weekly Voice by UPF

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