韓国文政権、外交政策が混乱

対北朝鮮は「核放棄まで対話なし」、慰安婦合意は「棚上げ」

発足から3カ月が経過した文在寅(ムン・ジェイン)政権の外交政策が混乱しています。文大統領がトランプ米大統領と電話会談した際、「北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄するまで、対話する状況ではない」と述べていたことが分かりました。対話による南北関係改善を働き掛けてきたものの、国際社会が北朝鮮制裁を強める中、韓国が突出して対話に出る状況にないと判断しているもようです。

電話会談では、南北対話へ動いているのかというトランプ氏の問いに対し、文氏は否定しました。その上で、「北朝鮮が耐えられなくなり、核放棄を行う時」まで国連安全保障理事会の制裁を続けねばならないと述べたといいます。

文氏はドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会合後も、北朝鮮核問題について「切迫した朝鮮半島の問題なのに、われわれには現実的に解決する力も合意を導き出す力もない」と述べ、各国の利害が絡む多国間外交の難しさを吐露しています。

文政権は北朝鮮の核開発を凍結した後、非核化するという段階的なアプローチを考えていますが、これは、制裁強化を主張する米国と隔たりがあります。

米国がそのように考える理由は2つあります。

1つ目は、「凍結」は、北朝鮮の核能力を認めることになるという考えです。2つ目は、北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を凍結する条件として、米韓合同軍事演習の中止を中国が求めていることです。しかし、米国は米韓軍事演習は北朝鮮の国連安保理決議違反に対抗する正当なものとしています。米国が「核放棄」を対話の条件にしているのはそのためです。

対日関係では、従軍慰安婦問題での日韓合意を「国民の大多数が受け入れられない」と述べながら、再交渉は求めず、合意履行も破棄もしない「棚上げ」姿勢を見せています。

文氏が盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で青瓦台(大統領府)で秘書室長を務めた時とは、国際情勢が大きく変化しています。北朝鮮の核開発は大きく前進し、米国の外交力も低下しました。文政権の政策の幅が大幅に狭まっています。(H=ソウル在住)

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