どうなる これからの朝鮮半島

トランプ大統領が変数に?

日本の一部メディアでは、米国が北朝鮮を先制攻撃し、今にも韓国・ソウルが火の海となるような報道がされていたようですが、韓国の日常はいつもと変わらない光景が続いていました。私は前々回のコラムで「先制攻撃の可能性は低い」と予測しましたが、まだ読んでおられない方はご一読を。

「米国は北朝鮮を先制攻撃するか」(4月2日)

さて、今日はこれからの朝鮮半島情勢について触れたいと思います。私は現在の膠着状態が今後もしばらくは続くように思います。

今一度、北朝鮮が核を開発する戦略目標を考えてみると、それは米国や日本、韓国を攻撃するためではなく、あくまで「生き残る」ためであることは明白です。

リビアのカダフィ大佐やイラクのフセイン大統領といった独裁政権はなぜ米英に倒されたのでしょうか。冷酷な事実ですが、それは彼らが核兵器を持っていなかったためです。核があればさすがの米英もおいそれとは手出しができません。金正恩氏はそのことを歴史の教訓としているはずです。ですから、北朝鮮にとっては「核の放棄=政権の崩壊」なのです。

また、仮に北が核を使用した場合はどうなるでしょうか。当然、米韓は反撃に出るでしょう。「第2次朝鮮戦争」が勃発するでしょうが、北と米韓との圧倒的な戦力差から「最後の朝鮮戦争」となってしまう可能性が高いのは明らかです。このような状況では、北は核はおろか通常兵器すら使用できません。

しかし、一方の米国や韓国も手詰まりなのは明らかです。先制攻撃はリスクが大きく、中国も現状維持を求めています。結局、お互いが「やられたらやり返す」というポーズをとりながら、膠着状態がしばらく続くと考えるのが最も合理的な見方といえます。

ただし、別のシナリオもあります。

私の知り合いに香港在住の英国人未来学者がいます。仮にBさんとしておきましょう。Bさんはかつて、投資銀行やヘッジファンドで働いていた時に投資家向けに将来起こりうるリスクを予測して的中させ、その後、独立しました。英国のEU(欧州連合)離脱や米トランプ政権の誕生も予測しており、かの売れっ子政治学者、イアン・ブレマー氏よりも的中率は高いかもしれません。

そのBさんですが、2年前に、「5〜10年以内に朝鮮半島が統一に向かう最初の出来事が起こる」と予測しています。トランプ氏については、半島の今後を左右する「ワイルドカード」になった最初の米大統領とみており、外交交渉を有利に展開するため「予測不可能な状況を意図的に作り出している」と分析。中国がその気になれば、金正恩委員長の亡命も何年後かにはありうるといいます。

合理的に考えるとこのまま膠着状態が続きそうですが、やはりトランプ大統領が変数となっていくのでしょうか。(H=ソウル在住)

Weekly Voice by UPF

「Weekly Voice by UPF」は、国連NGOであるUniversal Peace Federation Japan(以下、UPF-Japan)が、国内外の政治、経済、社会および文化について、UPFが推進する平和大使運動の視点から問題提起を行うウェブメディアです。 ※なお、ここで発表された内容はあくまで筆者個人の見方であり、必ずしもUPFの公式見解ではありません。