同性カップルの子育ては認められるべきか

4月6日、大阪市が男性の同性カップルを養育里親に認定したとの報道がなされました。2015年4月に渋谷区で同性パートナーシップ条例が施行されて以降、メディアがこの問題を取り上げ、当事者の発言も増えるなか、少しずつ同性婚容認にむけた社会的雰囲気が醸成されつつあります。同時に、今回の里親認定にもみられるように、地方自治体を中心とした行政や議会への働きかけも進んでいます。

欧米の場合、こうした動きに対して、福音派やカトリック保守派などのキリスト教勢力が敏感に反応し一定の歯止めをかけますが、日本ではそうした反対運動はほとんどみられません。伝統的価値観や社会秩序の視点からの議論がないままに、なし崩し的に急進的な取り組みが実施されることには危機感を覚えます。

特に、同性カップルの子育てについては、欧米諸国ですら対応が分かれる微妙な問題です。例えば、EU諸国で最後に同性パートナーシップを制度化したイタリアでも、同性カップルの養子縁組を認めていません。大阪市の事例では里親であり正式な養子縁組ではないものの、子供の福祉という観点から慎重な扱いが求められます。

果たして、同性カップルによる子育てには問題がないのでしょうか? 米国では「同性カップルの子育てが、異性カップルと比べて特に問題があるとは言えない」との研究結果も発表されていますが、サンプルの偏りがあるなど多くの問題点が指摘されており、反対派を納得させるには至っていません。

一方で、同性カップルに育てられた子供たち自身からの告発も目立つようになってきました。彼らは、自らが自然に必要として渇望するもの…父親と母親…を否定され、傷ついてきたと訴えています。同時に、親たち(LGBT)のコミュニティから攻撃されることを恐れ、それを口に出すことができなかった、とも告白しました。ほかにも、自らを女性と自認するトランスジェンダー男性に育てられた娘が、思春期に深刻な悩みを抱えたケースも報告されています。こうした子供たちの声を無視することはできません。

そもそも、里親や養子縁組といった制度は「子供がほしい大人のための制度」ではなく、あくまでも「子供の福祉を最優先にすべき制度」であることを忘れてはならないでしょう。その意味で、大阪市の今回の決定は慎重さを欠いていると言わざるを得ません。

Weekly Voice by UPF

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